近江党

■ 滋賀、特に東近江、甲賀地域の未来

はじめに

 地域の未来は、これから私たちが作っていかなければならない道州制を中心とした地方主権の国のなかで、州、県、市町村が中央政府から離れて、独自の権限(広範な立法権、条例制定権、法律の上書き権)と財源(消費税地方税化等)を持って自らの手で選択し、築き上げていかなければならないものであると考える。その中で国政の役割は、これら地域の政府(自治体)が、いかにその力を発揮できる仕組みを国として作っていくかという点にある。
 私の描く、東近江、甲賀地域の未来像は次のようなものではあるが、これは県民のみなさん自身が、これから出来るであろう州政、そして県政、市町村政の中で自ら絵を描き実現していく項目であり、これまでのように国政の一環として全国一律の政治目標として達成される項目ではないと考える。
 これら地域の担う項目は具体的には国土形成・社会インフラの整備、農林水産行政、産業経済の発展、環境保全、教育、医療・介護等のサービス給付などがある。


農林水産業と美しい自然、伝統文化を大きな資産にして、高度な産業技術集積が
ある強い地域を目指す。


1. 第一に農林水産業の維持・発展

 この地域は日本のもつ田園風景の美しさやその伝統、文化を未来に渡って継承しなければならない地域であると考える。その中で最も重視すべき基盤は、まずは農林水産業である。同時に水資源をはじめとする、山林、河川、内湖、びわ湖の環境の保全である。農林水産業の中でも鈴鹿山系などの山林の保全と林業の維持振興、中山間地の農地の保全と農業の継続は政治の手助けが必要なものである。
 
 農業については商業生産型農地と保全型農地に区分することを考えている。商業生産型農地ならびに畜産業に関しては、食の安全、味覚の追求、マーケティング手法・流通手法の適用、いわゆる6次産業といわれる食品加工等を通じて、国内は言うに及ばず世界を視野に入れた高付加価値の競争力ある産物・商品として発展させる。一方で保全型農地に関してはいわゆる「環境維持保全のための財政的補助」を積極的に行う。なおこれらのことは国が主体として計画することから地域を主体として実情に合うように計画できるようにする。

 林業については、林業と山林の保全を今まで以上に水資源、環境、日本文化の重要な源泉と位置づける。加えて滋賀は近畿の水がめとなっておりその重要性は格別である。財政的な補助、農業と同様に林業製品のマーケティングを積極的に行う他、不足する労働力に関しては林業に精通した外国人労働力の利用も考える。

 水産業及び水の保全についても、農業、林業と一体として考える他に、河川の水、地下水、湖水等の水質、環境の保全を最優先事項の一つと位置づける。

 加えてインターネット、情報技術の発展によって可能となった農山村への定住を人口流出、地域振興の施策のひとつの柱としたい。場合によっては、非貨幣経済型(少ない現金収入での豊かな生活の模索)の農林水産業を支援することも考えられる。地産地消型経済圏を推進することも考えられる。


2. 財政、経済基盤としての地場産業、中小企業の技術開発支援

 実際のところ、経験として日本の産業の基盤を支えたきたものづくりは地場産業と中小企業に負うところが大きい。中央省庁を通じての研究開発支援は大企業にばかり流れて地場の産業、中小企業には効果があるにも関わらずその恩恵は大きいとはいえない。これらの資金の運用を県や市町村に委譲し、世界に通用する技術を持つ企業を県内に育てる(例:高知県のニッポン高度紙工業)。これは日本経済の国際競争力を増すばかりか資本力ある大企業にも大きな恩恵となる。
 もう一つ重要な事項はこれら企業に対する金融、ファイナンスの充実と販売支援である。技術によって開発された製品には市場が必要である。今の日本の一律的金融システムでは地場産業、中小企業に対して十分な対応ができていない。大手金融機関が統廃合する中で、地域の金融機関として信金の役割、または地域の公的金融の役割は今後ますます重要になってくると想定する。それは単なる資金の貸し出し提供に限らず、様々な金融手法の導入、販売手法に対する支援、国際的なネットワーク作りまで及ぶものである。
肝心なことは「中央官庁の一律の地域の実情に合わない全国一律施策」ではなく、現場に密着した、県や市町村が自らの判断で行う施策である。



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